色は匂えど散りぬるヲ

株式会社アジケ代表のブログ。清濁併せ呑むようなものが好物です。

ECサイトにGoogleアナリティクス(Google Analytics)を設定する時に気をつけたこと9選

弊社では UP to ME! というECサイトを共同事業として運営しております。

元々、Googleアナリティクスの設定やアクセス解析のコンサルティングはソリューション事業のひとつとして行ってきました。

今回はいつもと違って、事業主側(EC事業側)としてGoogleアナリティクスを設置する場合、何が効率的で効果的なのか?を意識していたように思います。

つまり、制作側の視点と事業主側の視点の2つを持ってGoogleアナリティクスを設定するとき、事業として注視するポイントがどこなのか?また効率的に設置・運用する方法をまとめました。

1.Googleタグマネージャー(GTM)の設定

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Googleタグマネージャーは、Googleが提供するタグマネジメントツールです。 タグマネジメントツールはひとつのタグを介して複数のタグを管理できるサービスです。

ECサイトは運用フェーズに入ると、いろいろなサービスのタグを設定していくことが予測されます。 Facebook PixelタグやAdwordsタグ、その他広告タグ、もちろんGoogleアナリティクスタグなどその他いろいろタグの設置が必要になります。

その度にエンジニアに依頼していては無駄な工数が発生するので、ディレクターや担当者自身がGTMの管理画面からタグを設定できるようにしましょう。

なので、まずはGoogleアナリティクスのタグはGoogleタグマネージャーから設置をしてください。

Googleタグマネージャーの設置方法は以下ブログが詳しいので参考にしてみてください。

2.Googleアナリティクスはビューの設定を3つ作る

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ビューは特定の条件に該当するデータを抽出してレポートに表示するものです。

例えば、自社からアクセスしている数値は計測しないビューを一つ、関係のないサブドメインを除いたビューをひとつ。などサイトに対してデータを正確に把握するためにフィルターをかけます。

よくあるものとしては

  • すべてのデータを含むビュー。いわゆる生データ。(デフォルトのビューですね)
  • 自社IPアドレスからのアクセスを取り除いたビュー。
  • サブドメインのデータを取り除いたビュー。

など。3つ以上のビューを設定して、なるべく正確な状況を把握できるようにしてください。

生データが必要ないのでは?という意見があるかもしれませんが、これはバックアップ用として保持しておいてください。

3.フィルタを設定する。

計測対象を絞りこむためにフィルタを設定します。 PCだけ、もしくはスマートフォンのみのアクセスを知りたいときにこのフィルタを設定します。

これはビューを作成したあとに、ビューに条件をつけるための設定です。

また、Googleアナリティクスを見ていると、いろいろな迷惑行為(スパム)のデータも取得されます。 それらを外すために以下の設定をしてください。

4.デモグラフィックデータを表示できるようにする。

Googleアナリティクスではアクセスした人のデモグラデータを確認することができます。

アナリティクス設定>プロパティ設定の「ユーザーの分布とインタレストカテゴリに関するレポートの有効化」をオンにしてください。

これでユーザーの年齢、性別、興味や関心のデータがGoogleアナリティクスに表示されるようになります。

この設定で注意点としては、トラッキングコードを調整する必要があります。

ちなみにこのデモグラフィックデータの根拠はGoogleディスプレイネットワーク(GDN)と提携しているサイトのcoookie 情報から取得しています。

確実なデータとはいえないですが、定性的な統計データとして見ることはできます。

5.GoogleアナリティクスでSearch Console のデータにアクセスできるようにする。

Googleアナリティクスの設定は完了したけど、Search Consoleの設定をしないケースを見かけるので留意してください。

この設定を行うことで、not providedと表示されていたGoogle の検索キーワードを見られるようになります。

最近はヤフーも検索結果ページをhttps化したこともあり検索キーワードの取得が難しくなってきています。その場合はサチコミエルカなど形態素解析技術を用いたサービスを利用するのも一つの手でしょう。

6.eコマーストラッキングを有効にする

ECサイトの分析を正しく行うには、「eコマーストラッキング」を有効にしましょう。

eコマーストラッキングを有効にすると

  • 購入された商品
  • 数量
  • 収益
  • 配送料
  • 数量
  • ユーザーがサイト訪問から購入に至るまでにかかった日数や訪問数

などがGoogleアナリティクスのレポートで見られるようになる。

eコマースタグを設定し、アナリティクス設定 > ビュー設定 > eコマーストラッキングをONにします。

ASPサービスなどであれば、設定画面でONにできます。

弊社のECサイトは自前でシステムをつくったので、拡張eコマースの設定を行いました。通常のeコマーストラッキングとは設定方法が複雑になるので、エンジニアが社内にいないなどの場合は通常のeコマーストラッキングを設定してみてください。

7.Tag Assistantを導入しましょう。

Google から公式ツールのChrome エクステンションとして、Tag Assistant(タグアシスタント)というものが公開されております。

特に拡張eコマースの設定はテストと確認が大変です。Tag Assitant をいれておくことでタグがうまく動いているかどうかを確認できます。

Cookie の記録状況や Google への送信情報も見られますので、タグを設定する場合はこちらのエクステンションで確認しましょう。

8.カスタムレポートに時間帯別アクセスを追加

カスタムレポートを活用しましょう。

ユーザーの行動を把握しようと思うと、アクセス時間を調べて仮説を立てることが求められます。 その場合はどの時間に来ているかを見ると思いますが、Googleアナリティクスに時間帯別で表示するデフォルトのレポートがありません。

なので、カスタムレポートを設定してどの時間にアクセスが多いか、少ないか等を把握してコンテンツを練りましょう。

9.ゴールフローを活用するために、目標と目標達成プロセスを設定しましょう。

ゴールフローはコンバージョンまでの経路で課題を発見しやすくなります。

ゴールフローを活用するためには、以下の設定をしましょう。

  • 目標設定
  • 目標達成プロセス(プロファイル設定から行います)
  • カスタムセグメントの設定

主にコンバージョンの前のどこで離脱したかが見えるようになるので、著しく数字が悪化しているところなどを見つけてコンテンツを検討するとよいでしょう。


他にもいろいろ設定しましたが、まずはこんなところでしょうか。

もちろんECサイトだけでなく、通常のサイトでも活用できるものばかりですのでまずは正しく設定を行って、正確なレポートが上がってくる状態を心がけてみてください。

PDCAをまわしたり、改善は正確な状況把握から始まります。ここが間違っているとすべての施策が誤った結果につながりますので、まずは正確なデータを抽出するということを心がけてみてください。

もし、その他にも良いアイデアがあれば教えてください。