色は匂えど散りぬるヲ

株式会社アジケ代表のブログ。清濁併せ呑むようなものが好物です。

UXデザイン会社が新人デザイナーにすすめているデザイン入門書3選

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先日、当社のUIデザイナーからUXデザインをもっと理解するためにお薦めの本はなんですか?と聞かれたので以下に入門書を3冊記載しておきます。

※3冊だけだからがんばって読んで!

デザインを広義で捉えたものから、UXデザイン会社にもっとも求められる(ペーパー)プロトタイプの具体的な作り方など体系的に学ぶためにぜひ目を通してほしいものを3冊、紹介しておきます。

デザイナーを名乗るなら必読の一冊。

1.誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

ユーザーのためにデザインする、ユーザーに便利な体験を提供したい。 といっても実際にどうすればいいのか難しいですよね。

この状態でプロトタイプ作成やUIデザインにはいると、そもそも“デザイン”としての理解が少ないので大局を理解せずに、小さなデザインをしてしまう。

そんな人に向けて、本書は例題をいくつか出して解説してくれます。

ユーザーに間違った行動をとらせない、例えばファイルを保存せずに閉じようとすると「保存してないですがよろしいですか」とモーダルウィンドウが現れる。

なぜこれが出るのか?といえば、ある種の強制機能であり、これによってユーザーのミスを防いでいる。

といった例文をいくつも出して解説しています。

また、本書で一番の主張はヒューマンエラーは人間のミスというよりもデザイン(=仕組み or 設計)の失敗であるというポイント。

UXデザイナー、UIデザイナーを名乗るなら確実におさえておかないととっても恥ずかしいぞ!という一冊です。

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UIデザイナーが“UXデザイン”を意識し始めたときに読んでほしい一冊。

2.Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)

UXデザインというのは、ユーザーの体験を設計する(あえて設計と表現します)ことです。

これは点のデザイン(ページ単体のUIだけじゃなくて)ではなく、線のデザイン(どこから来て何を行動してもらって、どう感じてもらうかなど)を設計(デザイン)することになります。

となると、ユーザーの行動を数値で測って、どう行動を変えてもらうか?という設計思想がとても大事になります。

本書はそのあたりをECサイトやメディアサイト、各種アプリなどのビジネスモデルを事例に出しつつ、どの数字を読みとってデザインをしていくか?ということを解説しております。

良い指標というのはPVやUUなどではなく

  • Understandable(理解可能)
  • Comparative(比較可能)
  • A ratio or rate(割合で表現可能)
  • Behavior changing(行動を変えさせる)

特に4つめの行動を変えさせるための指標が何なのか? それらを具体的な参考例をもとに、どの数値を読むべきかわかると、ビジネスの全体象が理解できてUIデザインがよりよくなると思います。

例えばこのページのCTAは○○で、テキストはユーザーを主語にしてわかりやすくしようとか考えられるようになるかと思うのでぜひ読んでみてください。

※ちょっと読むのしんどいかもです。リーンシリーズの特徴でもありますが良書です。がんばれ。

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手を動かしながらプロトタイプをつくるならこの1冊。

3.プロトタイピング実践ガイド スマホアプリの効率的なデザイン手法

UXデザインや“デザイン”に対する概念がわかってきたので、UXをデザインするためにUIのプロトタイピングをしたいという時はこちらの書籍に目を通してほしい。

ペーパープロトタイピングは設計、作成、テスト、改善などの情報を交換すうrために広く使われている技術です。

本書はユーザーのペルソナや利用シーンをイメージして、必要な機能を洗い出し、それを具体的な画面にどうやって落とし込んでいくのか?をこまかく説明してくれています。

手を動かすと、今まで使っていたアプリやサービスの意図が見えるようになってくるので、仕事がさらにワクワクする1冊です。

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まとめ

他にもいろいろお薦めの本はありますが、まずは3冊に絞って紹介しました。

何冊も一気に読むのではなく、良書と呼ばれている書籍をじっくり何度も読み解いて、それがまるで自分の考えであるかのように錯覚するまで(笑)読んでください。