二地域居住を実践してみて感じるメリット/課題/事例などを書いてみる。
昨年頭から東京と北九州の二地域で生活をしようかな?と計画して、上のこどもが小学校に入るタイミングで北九州に家族と一緒に居を構えました。
知人に会ったとき、東京でUXデザインの会社を経営しながら北九州で生活するってどういうこと?ってよく聞かれるので思考を整理するために一度まとめます。
二地域居住ってなに?
そもそも二地域居住って何だっけ?と思ってWikipediaで調べました。
二地域居住(にちいききょじゅう)とは、団塊の世代のリタイアで、都市住民に広がることが予想されている生活様式。都会に暮らす人が、週末や一年のうちの一定期間を農山漁村で暮らすもの。
主語が都会に暮らす人になっているので、厳密に言えば私は該当しませんね。北九州は農山漁村でもないし。 住民票を北九州に移し、1週間東京で働き、1週間北九州ではたらくというワークスタイルで仕事をしております。
北九州に移住した理由
いくつか理由がありますが、ざっと並べるとこんな感じでしょうか。
- 子育てのため
- 城が近い(城が好き)
- コンパクトシティ
- 飯がうまい
- 人が良い
子育てについて
※到津の森動物公園。森本千絵さんのコメントが入口にありました。
北九州は妻の地元です。何度か足を運んだりして、北九州市という街が持つ魅力に惹かれていきました。
そして、子育てをするうえで遊びや一緒にいられる時間を意識した環境ってなんだろうと考えておりました。
東京は仕事をするうえでは刺激的な場所で本当にお世話になっています。
ただ、私自身は奈良県出身の田舎ものなので育児やこどもの遊びを考えた時は遊びって何かな?と考えました。思い返すと私のこども時代は例えば木に登るとか川で遊ぶとかですが空間を把握するための視点、いわば鳥瞰の視点を身につけられる環境があって、それが好きだったなと。
もちろん東京でもできることですが、山や川、海などを東京よりも身近に感じられる場所がいいなと思いました。
仕事や消費に関しては本当に充実した場所だと思いますが、いま私がいるライフステージは子どもの優先度が高い状態ですので、それを基軸に判断しました。
このあたりは好みの問題でしょうか。
※平尾台
※スペースワールド(今年いっぱいで閉園……)小さい写真しかなかった。
城が近い
※小倉城がすごく綺麗に見える場所に住んでおります。 いくつになっても歴史が好きなんです。
※GWにいってきた熊本城。復興応援。
コンパクトシティ
※小倉城の天守閣から撮影
家の前が図書館だったり、ランニングがしやすい公園だったり。 駅近くに借りたシェアオフィスへの通勤も自転車で15分くらいとかなり便利です。 役所での手続きや買い物等は自転車で10分圏内、車で5分圏内でだいたい揃います。
海や山へも車で1時間もあればだいたい行けます。
飯がうまい
※中華の名店耕治 ※いつもお世話になってる小倉駅前のminori
特に青魚、白魚がおいしいです。 タチウオをこっちで食べたけど旨みがすごい。 九州は飯がうまいといいますが、これは本当です。住民や街の規模と飲食店の数が全然あってない。飲食店多いです。
人が良い
人が良いというのはもちろん個人の感想ですが、北九州市で知り合った人は役所の人も含めてかなりWelcome です。
ちなみに人の良さに関していえば東京はものすごく優しい街だと思ってます。 多様な考え方を受け入れる場所として、日本で一番進んでいるでしょう。
移住地でのワークライフバランス。
IT業界に属する仕事ですので、オンラインである程度の業務ができるという点で助かってます。 多くの部分で社会インフラにお世話になっております。はい。
ただ、職種的には経営者&コンサルティングが多いので対面時間が重要という側面も多く感じます。
昨今ワークライフバランス等がテーマに挙がりますが、会社に導入するにあたって一度自分がリモートワークを実践してみるのがおもしろいかなと思いました。
オンラインでどれだけ仕事の成果をあげられるのか?一緒に仕事をするとはどういうことか?これらを体感しながら、esa や Remotty/chatwork/Backlogなどコミュニケーションツールの恩恵をあずかりつつ、チームワークとは何か?を考える機会になります。
リモートワークで仕事がしたいという社員に対しては明確なルールと社風が必要だと考えています。
まずはやってみようとい精神ではおりますが、それを実践しない人もしくは同意出来ない人もいるかと思うので、やはり明文化したルール=就業規則等が必要でそれをどうつくるのか?そして組織風土とどう連携させるのかがテーマかなと思います。
生産年齢まっただなかです。
wikiにあるような二地域居住のリタイア後のライフスタイルとは考えてないです。 私は30代後半(もう後半か……)なので、まだまだはたらきたいです。
東京での仕事と北九州の仕事はどちらも生産的なものにしないといけません。 北九州だからひと休みというのではなく、こちらのエリアやリソースをどう生産的にしていくのか?という視点でいろいろ活動を進めております。
東京ではITの人やビジネスサイドの人と話すとどうしてもその世界観や価値観が似てしまいがちですが、北九州に来ていろいろと考える幅が広まったような気がします。 特にUXデザインにおける"ユーザー"を想像する時にいい示唆をいただいております。
このアイデアをこっちで展開したらどうだろう?とか地元に住むってなんだ?とか充実したワークライフってなんだ?とか。
そういう問いをいただきつつ自分の本業を中心に何にどう貢献できるのかと考えるようになりました。
課題に感じていること
仕事のコミュニケーションについて
ajikeはデータを活用してユーザーの体験をデザインすることを指針として事業活動を行っております。
ざっくりいうとユーザー体験をデザインするというのは、ユーザーの調査から理解、仮説立ててプロトタイプをつくり、ユーザーにヒアリング、製造や改善に入るなどの過程があります。
これを一人では当然できないので、チームが必要です。
このチームが機能するということはどういうことか、オンラインとオフラインを効果的にするコミュニケーションが何か?はまだまだ課題であり最適解を模索しているタイミングです。
移動について
飛行機で70min〜90minとはいえ待ち時間や空港までの移動時間を考慮すると結構かかります。 また急な打ち合わせもあるので、そこで予定が調整しづらいという課題があります。
打ち合わせの時間について
東京にいるときに打ち合わせがものすごく増えたような感覚になります。相手には1週待ってもらっていることもあるので、それらの予定をいれるとほぼ打ち合わせ&夜は会食が続くこともあります。
会食に関してはランチ時間を使ったりと打ち合わせもメッセージor オンラインMTGを増やすなどして良い方法をまだまだ模索する必要があります。
オンラインショッピングなど物流や配送について
福岡は東京と比較すると物流面で少しだけ不便を感じることがあります。 これも即日配送や翌日配送が当たり前になっていたのがおかしいのかもしれませんが。
Life Hack的にはAmazonでなくヨドバシカメラかLOHACOで頼むと比較的翌日に配送されるケースが多いです。翌日に来ることを不便と言っていると罰があたりそうです。 すみません。
プライベートについて
趣味になりつつあった合気道に参加できなくなった……
行きたい。
まとめ
ざーっと書き並べてみましたが、二地域居住はメリット/デメリットが点で見ると振れ幅が大きいのかなと思います。 何事も選択肢があっての意志決定ですね。
選択肢の多さ=自由。ありがたいことです。 プライベートも仕事もチャレンジ半分、楽しみ半分で過ごしていこうと思います。
おまけ
UターンやIターンかつ北九州市ではたらきたいという人がいたらぜひご連絡ください。 RECRUIT|UI/UXデザイン アプリ/サービス開発|UI/UXデザインのアジケ ajike
まだ本格的にオフィスを構えるかどうかは未定ですが、北九州にも仕事仲間がほしいなと最近思い始めたので興味がある人はぜひお願いいたします。
2017/07/12追記
- 合気道が課題…とか書いていたら、市役所の方が武道場やスポーツ振興課を紹介しますよ。と連絡がきました。すごい笑。東京でお世話になった合気道道場を辞めたつもりはないので、そこにも相談しないといけないです。東京にいる間にもっと通わないと……