色は匂えど散りぬるヲ

株式会社アジケ代表のブログ。清濁併せ呑むようなものが好物です。

2015年4月1日 入社式をおこないました。

本記事は長い日記です。

昨日、4月1日に入社式を行いましてそのときの感想を日報に書きました。
(どんな入社式だったかはまた誰かが紹介するかもです)

社内用の共有SNSに本記事をアップしたところ「社外にも公開したほうがいいんじゃないか?」という声をもらったので本ブログにもアップしてみます。

少々恥ずかしいですが、気になる方は続きを読んでみてください。

以下、社内SNS用記事の本文。


たまには私も日報を書いて書いておこうかと思います。
最初はブログに公開しようかなーと思ったんですが、内容的に社内公開用に変えたほうがいいかなと思いまして、こちらに記します。 (長いです)

本日4月1日、アジケは新卒2名と第二新卒1名の計3名をメンバーに加え新たなスタートを切りました。

今日は日記なので冗長な文章になります。ご容赦ください。

日記を書いていて感じるのは、1月1日・4月1日など節目は自分の襟元を正すという意味でも、誰もが特別な感覚を覚える時期です。

そういう時期だからこそ、この3ヶ月〜1年で起こったことを振り返り、反省し、また次のスタートをどうしようかと悩み、総括するには良いタイミングです。

また、こういうタイミングの日記は定点観測として大きな意味を持つので書き記しておこうと思います。

別れがあれば出会いもあるという当たり前の会社経営

出会いがあれば別れもあります。 昨年は起業をしてからそれを特に強く感じる1年でした。

いつからか「あの時にこういう選択やマネジメントをしておけば、また異なる結果を招いただろうか」など「たられば」のキーワードが頭をよぎることが増えたように思います。

もちろんすべては自分の未熟さと努力の足りなさに起因するところなんですが、やっぱり難しいんですよね。 多くの人数をマネジメントするということが。

人が絡んでくる部分になるとどうしてもうまくいかない時があります。

起業当初はいわゆる"マイカンパニー”です。

自分がすべての責任をもって動き必死に仕事にくらいついていく。 徐々に増える仲間は自分と同じプロジェクトをすることが多いから必然的にゴールを共有できている。

字に書いてみると、ますますわかりやすいなぁ。

ここ2年くらいは”アワーカンパニー(Our company)”になろうとずっともがいているタイミングです。

自分が見きれないものを誰かにまかせていく。
不安だけど任せる。
任せたからには口を出さない。
けど任せた人が失敗している苦労している。
それを叱るのか慰めるのか、アドバイスするのか。巻き取るのか。
もしくは良い経験だからと思って、敢えて何もアドバイスしないのか。
そもそもやらない人には何と言えばよいのか。
周りにアドバイスをするように助言するのか。

そういった勘所をずっとつかもうとして、ずっと失敗を繰り返しているように思います。

最大公約数的に多くのスタッフが良いと思える会社にしたい。
(最初から全員は無理というのは前提にしています)

であれば、大きなビジョン、もしくは現状より少し上のビジョンを描かないといけない。 見たことないものを描こうとするのは難しいけど、描かないと皆がどこを目指しているのかわからない。だから不安になる。

よし。ビジョナリーカンパニーを読め。ザッポスに学べ。プロフェッショナルマネージャーの本を読め。書籍による先人の経験や同様の苦労を経験された経営者から話を聞いたりしてなんとか解決のヒントを得たい。

そんな思いを抱えたまま、どんどん時間が過ぎ、別れと出会いを繰り返すような蜃気楼に迷い込んでいたような気がします。

そんななかでも仕事をがんばっているスタッフや会社をおもしろくしようと考えるスタッフがいてくれることは本当に救われます。

もちろんうちの会社を卒業した人たちも活躍していれば、それは嬉しいことです。

人を採用するときはとても悩みます。

人を採用するときは、その人だけでなく、背後にいる家族や友人たちの期待もあるんだろうなと想像するときがあります。 もちろん、考えすぎなんですけどそう思う時があります。

こういうのは美談に聞こえるので話半分で読んでおいてください。

一方で人というのは投資に近いです。 即戦力の人ばかりでチームを組んで急に利益を上げるというケースは珍しいことだと思っています。
なので、採用するときは、人に投資を行うのだから、しっかりリターンとして得られるくらいパフォーマンスを上げてくれるだろうかという俗っぽい悩みも相応に抱いたりします。

たぶんこっちが本性。

そうしているうちに、去った人や残っている人の顔を思い浮かべつつ、逡巡しているタイミングで今日4月1日を迎えてしまったのは自分にとってはやはり良い機会なんだと思います。

昨年1年で失敗した経験をある程度仕方がないと腹落ちをする部分を持ちながらも、次に活かす方法を学ぶ機会だったので是々非々としてまた次の時間を過ごそうと。

そんなことを思いながら、今日の入社式を迎えました。

入社式で話した2つのこと

1.社員とアルバイトの違い
2.入社半年で仕事のストライクゾーンを経験してほしい。

社員とアルバイトの違いについて

個の時代と言われて数年が過ぎようとしています。 会社に属するのではなく、個の力で社会課題にとりくみ仕事としてしっかり稼いでいくという考え方もあります。

なので、IT業界(特にWEB業界?)では「正社員」「契約社員」「フリーランス」など、就業に関してはどの形態でもこだわらないという考え方も見かけるような気がします。

今までの就業形態ってどちらかというと前時代的な考え方だよね。と。

自分はこれには半分同意で半分は同意しないです。

社員とアルバイトの違いは何か?

これは契約形態と賃金の違いだけではないです。

理由はプロフェッショナルの反対語は何か?を考えたときにスペシャリストではないか?という意見を見かけてからです。

社員で採用するというのは、個別のスキルだけを評価して採用するものではないです。

チームや組織を創りあげるメンバー<人材>として担ってもらうということを期待して採用してます。

まず社会人になると、目の前の仕事をやり遂げる、目の前のお客様にしっかり向き合うということが大事です。

そして、チームや組織を創る<人材>に求めるのは、この考え方だけではないです。

いま行っていることがチームの利益を拡大することとどう繋がっているのか、そのことが会社そして社会にどう貢献しているのか? それを理解して実践していくのがチームや組織を創りあげる<人材>なんだと思います。

なので、稼働した時間だけお金を稼ぐという"時間=対価”のようなアルバイト的な働き方ではなく、稼働する時間はチームを作り上げている対価を得ると同時に投資をしていると思って欲しい。

そのリターンを得るためには、個のスキルを磨くことでも可能かもしれませんが、周りを巻き込み、成果を出すような働きかたをしないと難しいように思います。

たぶん、そこが社員とアルバイトの違いなんじゃないかと思います。

仕事のストライクゾーンを半年で経験してほしい

アジケの仕事の種類やどういうお客さんと仕事をしているのかはこれからすぐにわかるでしょう。 有名な企業のサイトもあれば、UXデザインで期待されている仕事など。

仕事にはストライクゾーンというのがあります。
いわゆる仕事の基礎と型をあわせたような考え方です

どの仕事にも基礎となる型があります。

今後、「自分は仕事をしばらくしていく」という前提がある場合、この1年〜2年で基礎と型を身につけないと本当に苦労するだろうなと思います。

まずストライクゾーンをはずさないようにするためには、仕事に対する基礎概念が必要です。

  • その仕事は誰のための仕事か?
  • いま行っている仕事はどういう効果があるのか?
  • 仕事の質は高いか?
  • その仕事をやった後の達成感を感じているか?

簡単にいえば、PDCAサイクルを回したあとに達成感を得るという感覚を身につけられるかということなのかもしれません。

これから実務を覚えていくうえでは色んな意味での”多様性”にまみれているでしょう。 自分の未熟なスキル以上にクライアントの仕事のやり方、人の性格、よくわからない IT の知識やマーケティング知識にまみれて、ストライクゾーンを見失うことがとても危険です。

なので、半年の間にどういう仕事をすれば依頼者やその対象の人が喜んでくれるのか、そして自分が達成感を得られるのか。この感覚を小さなところから得てそれを基礎として身につけていく。

また、周りの先輩が行っている仕事の内容がよくわからないが、やっていることを型として身に付ける。

こういう経験があれば、自分のスキルの状態がどんなものであっても求められるものに対して適正な反応を返していくだろうし、どんな仕事(そもそも無理な仕事は依頼として来ません)でもブレずに仕事に集中できる。

ストライクゾーンを知っているからこそ、目先の多様性の一喜一憂にとらわれずに仕事に邁進することができる。

なのでまずは、半年の間に基礎と型をしっかり学んで、いわゆる小さな成功体験を得てください。
守破離の”守”が大事だみたいな話ですかね。

ということで、多くの会社からアジケを選んでくれてありがとう。

これからがんばって社会から求められる人材になってください。 期待しています。

ちなみに昨年の入社式時の記事はこちら。

http://umemoto.ajike.co.jp/entry/2014/04/02/200223