色は匂えど散りぬるヲ

株式会社アジケ代表のブログ。清濁併せ呑むようなものが好物です。

設定したKPIに基準値がないときに何をすべきか?

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KPIの設定ははじまりに過ぎない。

UXDの仕事を請け負うときは、可能な限り体験を指標化するということを目指している。

体験を指標化するというのは、ユーザのキーユース(サービスを利用するときの重要なシーン)を洗い出し、それを数値化する試みだ。

※参考: UXのKPIを設定しよう!~ ユーザー体験の定量化ってなぜ必要? ~ |株式会社アジケ

そして、指標化したうえで何をしたいのか?といえば、その時点で答えを持っているケースは実は少ない。

例えば、広告のCTRを5%にしたいと言われても、それはかなりチャレンジングだし、数値取得時に0.08%であれば、それは既に異常値として見極めなければならない。

つまり、KPIを設定したとしても、基準値がないと数値をうまく機能させることができないのだ。

結論は市場やプロダクトにあわせて、評価基準を調整していくこと

数値取得後は業界標準かどうかを見極めていく必要があるのだが、UXデザイナーやマーケッターはまずまずは数値をとることがスタートだ。

  • 数値をとる。
  • 業界標準なのか?それとも今の状況にとっての標準なのかの見極める。
  • とにかく、その数値ができたのでそれに対して施策をうち繰り返す。 

このように、市場やプロダクトに合わせて評価基準をすばやく調整していくことが本記事の結論になる。

収穫逓減の法則を見極めるのがマーケッター

改善を繰り返していく= 最適化を試みると、ほぼすべては収穫逓減の法則に収斂されていく。

上記の例部分と重複するが、例えば、WEBサイトの読み込みスピードが5秒かかっていることがUXを損ねている状態だと仮定する。

解決策としては、JSや無駄な関連プラグインを外す、AMPの導入等で読み込み速度を1秒以下にすることは可能だろう。

ただし、ユーザーの体験を上げるために、ページの読み込みスピードを限りなくゼロに近づけていくためにこの改善を毎月繰り返すとなると、それは誤った打ち手になる。

解決したところには、見切りをつけて次の課題に取り組んでいくことがサービスを向上させていくことに必要なことだ。

ただし、このような細かいところの改善方法では頭打ちになることもあるだろう。

その時はまたビジネス視点のレイヤー、つまりDesignではなくDESIGN(THINKING)のレイヤーで解決案を探すことが求められる。

言うは易く行うは難しだが、局所の課題を解決したことがなければ、画餅になる。

PDCAの繰り返しのは大変だが“成功するためには、小さな階段をしっかりのぼっていくことが必要なのだろう”と改めて思い返した。