WEBプロダクションが創ることにこだわらなければならない理由
長文になってしまったので、冒頭に結論を書いておきます。
プロダクションは「持たざる経営」を推進するのではなく創るというコアコンピタンスを重視し、それをパートナーと協力したり戦略立案の武器にし、ビジネスの成功に寄与していくことが重要だよなぁ。という単純な話です。
今期、弊社が社内で掲げていたテーマはスマートフォンに関する開発を戦略などのプランニングから提供することでした。
スマートフォン市場が大きくなっていると一口に言いましても、分野として考えるとかなり広範囲に及ぶものです。
例えば、ソーシャルゲーム開発であったり、DMP などの広告技術を理解しながらのデータマネジメントやグロースハック、O2Oなどめぼしいキーワードを挙げるとキリがないように思えます。
これらを弊社だけですべてを解決することは難しいのですが、時代のながれやご相談いただく内容を解決するためには、今まで培った技術や知見を新しいマーケティング手法やテクノロジーに適応させたアウトプットを出す必要があります。
なのでプロダクションである当社のスタッフにはWEB のハウツー TIPS を見るだけでなく、仕事に関連がある内容やニーズがある内容については咀嚼し実装できるように指示を出しております。
当社のコアな競争力は”創ること”になりますが、もう少し詳しく書くと”クライアントが持っている課題を広告代理店さんやPR会社さんと一緒になって最終アウトプットまでもっていけること”といえるでしょう。
クライアントやエージェンシーは我々にかっこいいサイトを作ってほしい訳ではなく、非常に高度なコミュニケーション戦略をしっかりアウトプットにして成果を出して欲しいというのが基本的な考え方です。
■創る側のアイデアが求められている
そして、最近顕著に感じるのがコミュニケーション戦略を完遂するには必ず創る側のアイデアが必要なように思います。
それは創る側が知っている情報や知見で、コミュニケーション企画の実現可否が変わるケースが増えています。
(昔から言われてましたが、その職位や職種のレイヤーがもっと多重になっていますね)
それはプロダクトがマーケティングを超えるような状況になっているようにも思います。
■「持たざる経営」を進めているWEB関連会社を見かける
これは完全に主観なのですが、最近WEBの制作を主軸においていた会社がプロデュース業やコンサルティング業務に特化していくような舵取りをしているのを見かけたりします。
これは経営を安定させるためや付加価値をどこに持たせるのかと色々思案したうえでの判断かと思いますし、気持ちがよくわかります。
ただ、プロダクトというコアな競争力を外すようなかたちで事業を進めているのを見かけると、90年代にはやった「持たざる経営」の課題にぶつかるんじゃないかなとも思ったりします。
持たざる経営とは言葉のとおり、社内には売上をたてるためのメンバーのみが在籍し、それ以外のオペレーションスタッフや、中には人事部までアウトソースするという思い切った経営手法のことです。
WEBプロダクションでいえば、プロデューサー、ディレクター、アカウント以外は外部リソースって感じですね。
ただ、WEBプロダクションのコア事業というのは文字通り創ること。
そして競争力は高品質、低コスト、短納期のどれかや組み合わせで満足してもらうビジネスモデルであって、持たざる経営というコンセプトに寄せてしまうと今まで培った良さが消えてしまうように思います。
WEBプロダクションは規模拡大という面で色々課題が出てくるので、どう転換 or 持続していくのかにいつも頭を悩ませるところではありますが、コアな事業が何かを念頭に置きながらスマートフォン×戦略×創ることの3つを来期も自社のテーマとして取り組んでいきたいと思います。