Web業界人と商社の人が同じビジネスゴールについて話すための共通言語について整理してみた
最近はIT業界や広告業界以外の人との会う機会を増やしております。 なかでも印象に残っている商社の人たちと話していて思ったことをつらつらと。
商社マンの仕事といえば、ありとあらゆるモノを世界中と取引するアグレッシブな仕事です。
もちろん細かい仕事内容はわからないのですが、彼らとビジネスの話をするうえで共通言語で話せる部分が多いな?と感じました。
(社会人数年くらいまでの時はお互いこんな風に話せなかったような気がしているだけですが…)
おそらく、外部環境=事業環境の変化と個人のスキルセットの変化ともに要因があると思うのですがこのあたりを整理して最近思ったことをまとめておきます。
ITの重要性がどんどん深くなってきている
大前研一さんは以前から、これからの社会人に求められるスキルは「IT」「英語」「財務」と言っております。
英語・IT・財務が必須スキル 大前研一「決定力10倍!儲かるコンセプトのつくり方」【5】 シビアな時代にしたたかに勝つ! 新『企業参謀』の思考法とは:PRESIDENT Online - プレジデント
だからというわけではないのですが、最近は本当に IT ってどの業界でも深く事業とか関わっているように感じています。
(もちろん、私が IT やコミュニケーションデザインを軸に仕事をしているからそう思うだけなのかもしれませんが)
そんなことを考えていたら、知人の村越さんが以下のようなドキュメントをアップロードしていたので引用させていただきます。
20150205 schoo Webディレクションに必要なスキルセットとマインドセット
今回の話だと「デジタル=事業の根幹」というのと「事業課題を理解する」というあたりが関連する項目です。
このドキュメントは元々 WEBディレクションを想定されたドキュメントなので、この記事内容とはあまり合致しないかもしれませんが、「事業側」も「受託側」も変化してきているという点でとても共感する部分であります。
ちなみに村越さんの作られたドキュメントはとても参考になるのでぜひご高覧ください。
外部環境として、IT(デジタル)が事業の根幹に据えられるケースが多くなってきたのではないか。
おそらく商社などで大きな取引額のビジネスをしている人たちにとって IT とは物流システムやその他大規模なシステムなどを代表に大きな社内システムなどを指していたのかもしれません。
(メディア・広告関連の仕事やWEB関連の仕事をしている事業は除く)
ただ、クラウドとともに SNS が普及してくることで、個人や小さな単位の顔や形態が見える化が常態化してきたからこそ、“大きなシステム”以外での IT 対応みたいなものを想像することが容易になり、ビジネス課題を少ないコストでも解決できるイメージが具現化してきつつあるような気がします。
※このあたりは主観ですので実際と異なっていたりする場合はご容赦ください。
ビジネスマンの思考方法とサービスデザインの思考方法
そうなると、我々のようなコミュンケーションビジネスを行っている者と、これまであまり IT を重視してこなかった人たちが同じプロジェクトを組むことで成功すれば大きなシナジーを生むようなケースも増えてくるのではないかと思います。
そのときにどういう共通言語があれば良いのか考えていたとき、先日、note でじょごなさんという方がとてもおもしろい記事を書いておりました。
デザインファームと戦略ファームの思考法、マインドセット、プロジェクトの進め方の違いについて|じょごな|note
“戦略思考が「組織として合意形成(意思決定)ができる一貫性のある、競争戦略・計画の策定」を目指すのに対し、デザイン思考は「ユーザー起点での革新的なソリューションの提供」を目指す”
この「組織として合意形成ができる一貫性のある競争戦略・計画の策定」はいわゆる PDCA サイクルでいうところの前半の“P”を決めるための思考方法であり、戦略コンサルタントやビジネスマンが得意な領域です。
デザイン思考はどちらかといえば、“DCA”に重きをおいた問題解決におけるアプローチやプロセス管理のことを指していると思います。
我々はプロジェクトによりUXデザインのアプローチをとります。
これは、サービスデザイン思考におけるもう一段下層のレイヤーであり、基本的には仮説にもとづきターゲットを絞り込み、ペルソナを作り、プロトタイプを比較的短い期間でつくり改修を重ねていくものです。
この時に上記 URL の記事にも書かれておりますが、ビジネスゴールで成功の確度を高めるためには以下のことが必要だと強く実感しております。
“何が言いたいかと言うと、そもそもデザイン「シンキング」を用いてクオリティの高いアウトプットを出すための前提条件は、
1.メンバーひとりひとりの極めて高度な専門性
2.メンバー間の共通言語としてのロジカルシンキング”
弊社のメンバーはディレクターやデザイナー、プログラマーなど専門性が高いスキルを有しています。 ただ、その専門性を発揮すれば良いというだけではなく「このチームだと自分はここが一番得意だけど、解決したいことは共通のゴールがあるのでそれに取り組む」というチームづくりと個々のスキル、仕事への姿勢がないといけないのかなと思います。
まとめ
長くなりましたが本記事の言いたいことを整理すると以下のようなことです。
※じょごなさんのテキストを参考に作図
戦略思考をコアスキルに活躍しているビジネスマンとデザイン思考的なアプローチをとるWEB業界の人の境界線が交じり合ってきている。
他業界の人とWeb業界の人が共通言語で話せると解決できるビジネス課題やニーズはまだまだある。
Web業界の人が他業界と共通言語を話すためにはロジカルシンキングと専門性の高いスキルが必要。
そんなこんなで、もし他業界の方で弊社に興味がある人がいたらinfo(アットマーク)ajike.co.jpまでご連絡ください。 個人的には新しい機会を模索しているタイミングでもあります。