[初心者必見]Google Analyticsのデータから、カスタマージャーニーマップを作る方法。
こんにちは。梅本です。
今日は Google Analytics のデータを使ってカスタマージャーニーマップをつくる方法をご紹介します。
- カスタマージャーニーマップとは?
- カスタマージャーニーをGoogle Analyticsの行動データから考える。
- ユーザーの行動を把握するために便利な3つの項目
- 以下Google Analyticsのデータをカスタマージャーニーマップにプロットしていく時の例。(以下は例です)
- 3.行動フローをプロットする。
- まとめ:リニューアル時にカスタマージャーニーを考えるときは定性的なデータを活用しよう。
カスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップとは、顧客がどのように商品/サービスやブランドとの接点を持ち、興味をもって、目的の行動に至るのか?という一連の行動プロセスと時間軸を可視化したものです。
カスタマージャーニーマップに関する記事はいろんなところでまとめられているのでネットで検索するといろいろ出てきます。そちらをご参考ください。
- カスタマージャーニーマップのイメージ
参考:カスタマージャーニーマップの目的、作り方、考え方
- 7stepでつくる、カスタマージャーニーマップ |UI/UXデザイン アプリ/サービス開発 | UI/UXデザインのアジケ ajike
- カスタマージャーニーマップから何を得たい?ー4つの目的とUXを可視化するデザイン手法 | UXデザイン会社Standardのブログ
カスタマージャーニーをGoogle Analyticsの行動データから考える。
さて、カスタマージャーニーを考えるときに、皆さんはどうされていますか?
関係するメンバーをあつめて、ブレストをしたりとかでしょうか?
いわゆるKA法やKJ法を活用し、付箋にアイデアを書き、カテゴライズして因果関係を結びつけるなどをされているかもしれません。
これはアイデアを生み出し、進化させるためにはとても有益な方法です。
新規事業や新しいサービスのカスタマージャーニーを考えるときにはとても役に立つ思考方法です。
一方、このカスタマージャーニーを考えることのゴールは仮説を抽出し、検証することで優先すべきアクションプランを導き出すことです。
なので、この仮説構築&検証の精度が高まるとサービスやサイトの成功確度が上がります。
前段が長くなりましたが、今日の記事は Google Analytics を使ってカスタマージャーニーを考える方法を記載します。
サービスリニューアル時は Google Analytics で取得できる“ユーザの行動”に着目しましょう。
カスタマージャーニーとは、言葉のとおりユーザがサービスに触れていく体験や一連のながれです。
Google Analytics(以下GA)には、ユーザの行動が記録されています。
なので、リニューアルの場合(GA等が埋め込まれている場合)であれば既にユーザーの行動の検証が完了した状態のデータとして、カスタマージャーニーを検討することができます。
ユーザーの行動を把握するために便利な3つの項目
では、ユーザの行動を把握するためには、GAのどこを見れば良いのでしょうか?具体的には以下の3つのデータを確認してください。
- 行動フロー
- ゴールフロー
- ユーザーエクスプローラー
1.行動フローについて
行動フローレポートとは
行動フローとは、ユーザーがサイト全体をどのように移動したのか、その経路を視覚化して表現したレポートです。
行動フローは、どの経路でユーザが入ってきてどの部分で離脱したのか?をページ単位で見ることができます。
行動フローレポートは大きな群としての単位で情報を把握することを心がけましょう。
2.ゴールフローについて
ゴールフローレポートはGAで設定した、ゴール(コンバージョン)に向かってユーザがどのように行動したのかを視覚的に把握するレポートです。
コンバージョンに至るまでの改善点を素早く見つけたり、施策の効果測定がわかりやすくなります。
注:行動フローとゴールフローの違い
- 行動フロー:サイト全体のユーザの動きを見る
- ゴールフロー:コンバージョンに対してのユーザの動きを見る
行動フローとゴールフローはビジュアルレポートが似ています。使用用途を間違えないようにしてください。
3.ユーザエクスプローラーとは
ユーザエクスプローラーとは、ユーザ単位でその人の行動履歴を細かく把握できる機能です。
上述の「行動フロー」との違いはサイトの全体、ページ単位での履歴に対して、ユーザ個別の行動データを把握できるところです。
ユーザエクスプローラーデータを見るときの留意点
- ユーザー(ペルソナ)を把握するときのデータは2つある。
- 仮説をもってデータを確認する。
1.ペルソナを把握するときには2つのデータがあります。
- その人の居住地域や性別など(いわゆるデモグラデータ)
- 行動データ
GAのデモグラデータは、カテゴリ端末や居住地域などが取得できます。ただし、今回のケースでよく見てほしいのは行動データです。
2.必ず仮説をもって行動データを見る。
例えば、ECサイトの行動データで知りたいのは“10,000円以上お買い上げのお客様の行動を把握する”などが挙げられます。
ユーザエクスプローラーのデータを見ると、個々人のデータになるので動きはバラバラです。ひとつひとつのデータを集積&把握しようとすると、何をどうまとめて良いのかわからなくなってしまいます。
なので、まずは仮説を持ってペルソナを把握していくということを心がけてください。
- SEO経由で来た人:集客チャネル Direct
- PCで見ている人:デバイス desktop
- (どのあたりに住んでいるか?は割愛)
- 1回の買い物で●万円以上購入をした人
そして、行動データですが、ユーザがいつどのページにいってどういう行動をしたのか?を把握してください。
余談ですがこのとき、手元のノートとかにガーッと書きながら把握しだすと、対象ユーザの気持ちなどが後から想像しやすくなります。
行動はかなり多くのログがとれているので、それぞれ気になる部分の行動をピックアップするようにしてください。
ユーザーエクスプローラーのデータを見るときのポイントは行動が変わった部分とそのタイミング。
いつどういう行動を起こしたかを把握することが、ペルソナのリアルな行動データを理解することに役立ちます。
把握したデータをプロットしていく。
では、上記の3つのデータをカスタマージャーニーマップにプロットしていきましょう。
カスタマージャーニーマップを綺麗につくるのは後からでだいじょうぶです。
まずはExcelやスプレッドシートなどで行動をメモしてみてください。
以下Google Analyticsのデータをカスタマージャーニーマップにプロットしていく時の例。(以下は例です)
1.ペルソナ(ユーザエクスプローラーから)の抽出
- 行動1:PCを使って「ワンピース ブランド名」というキーワードで検索=●●というブランドのワンピースが欲しいユーザー
- 行動2:商品ページでワンピースの関連商品部分から他商品にいったりきたり(=探している行動をしている)ワンピースに合う、かばんや靴も見ている。=一式そろえたい=セールの季節になったのでガラっと気分を変えたい人。自分の買い物をしようとしている女性。
- 行動3 : アクセス時間は22時が一番多い。商品検討〜購入まで2日間かかった。
ユーザエクスプローラのデータからカスタマージャーニーを埋めたときの例。
- 時間の概要を記載
- 行動を記載
薄いピンク色のところがユーザーエクスプローラーの行動から読み取りやすいところです。
2.ゴールフローを見る(コンバージョンに重要なページを大きな括りで捉える。)
上記の1では、今回のペルソナの1人にしたい行動データをスプレッドシートにプロットしました。
次に、ゴールフローを確認します。
ここでは、コンバージョンに至るまで=カートページにいくまでを重視します。 (多くのケースは購入完了ページを目標に設定しているかと思います)
理由として、いまはカスタマージャーニーを把握しているので、正確なコンバージョンページの数値をとるよりも、商品をカートに入れるまでの行動、つまり比較・検討の行動に着目したいからです。
ここの例でのポイント
例には
- 商品詳細ページ → カートページ
- 商品詳細ページ → 送料ページ(35%)
- 商品詳細ページ → 運営元ページ(20%)
と挙げました。(%は離脱率)
商品詳細ページからカートページにいったところは通常のフローなので、カスタマージャーニーマップ段階ではあまり意識しなくても良いかと思います。
注目ポイントは、商品をカートにいれる手前のページから移動した先のページの離脱率
商品詳細ページで離脱というのも課題ですが、ここの例でいえば、送料ページに行って離脱したり運営元ページに行って離脱した割合に注目です。
送料ページや運営元ページに行った場合の気持ちは、「送料をどうすれば無料にできるのか?」とか「運営元は安心できるのか?」などが代表的なものになるかと思います。
このあたりのユーザの気持ちもこの段階では忘れずにメモしておきたいものです。
3.行動フローをプロットする。
最後に行動フローデータを確認します。今回は当該ページの離脱率を確認するためにデータを使います。
今回のケースはユーザエクスプローラーの「ワンピース ブランド名」を起点にした自然検索のユーザを前提にしているので、「行動フロー > ランディングページ」を確認してください。
注目ポイントは、今回のケースにおけるランディングページの離脱率
今回の例は「〇〇というブランドのワンピースが欲しいな」というユーザが、サイトのページ(検索結果で一番最初に表示される自社サイトのページ)が表示されたときの離脱率が65%という行動がありました。
この時のユーザの気持ちは半分以上のユーザが「見つからないな、探しにくいな」という気持ちになった可能性があります。
なので、このペルソナの人は65%確率で離脱してしまう可能性、気持ちとしては「希望の商品を見つけにくいな」という気持ちが既に存在するものとして課題に書いておく必要があります。
まとめ:リニューアル時にカスタマージャーニーを考えるときは定性的なデータを活用しよう。
いかがでしたでしょうか。
GAのデータを元にカスタマージャーニーを作ると、説得力が上がります。まずはこれを現状の行動として捉え、次にあるべき姿を導き出すためにブレストをもうけるとそのアイデアも良いものが出るように思います。
定性的なデータを持ち合わせることでより有益なカスタマージャーニーをつくることが可能ですので、担当者の方はぜひやってみてください。
また、この次のステップとしては、事業側の目線をユーザの目線に合わせていきます。ながれとしては
- カスタマージャーニーマップにユーザのKPIを記載します。
- KPIに事業価値(価格)を記載します。
- 狙うべきKPIの事業価値、もしくはリニューアル後に狙うKPI(=事業価値)
などです。
このあたりが気になるかたはまたご連絡いただければと思います。
もし“サービスやサイトのリニューアルでカスタマージャーニーを作ったが、それが正しいのかわからない”とか“どうUIに落とし込めばいいのかわからない”と言った場合はぜひお問い合わせください。
UXデザインのご相談は無料で承っております。